日曜日, 4月 09, 2006

平成タバコ合戦モクモク



我ながら間抜けなタイトルですね。自信作です。

それはさておき、以前から気になってはいたのですが、このところ興味深いのが喫煙者に対するプレッシャーの強化ぶり。「タバコを吸う奴は愚か者」とも言わんばかりの空気がタバコの煙を遥かに上回る濃度で日本中を覆ってしまったように思います。受動喫煙で健康を害した、損害を賠償しろ、なんて訴訟が起きたとしてもそんなに違和感はない雰囲気ですよね。現実には今の法律では訴えるのは無理なんでしょうけど。でも「何の権利があってお前は俺の健康を害するんだ!」と語気を荒らげる人が増えているのは間違いないでしょう。

でも俺はそういう人の主張の大半は話半分に聞き流すだけにしてます。だって非喫煙者が晒される副流煙以外にもこの世の中には街に充満する自動車の排気ガスとか、生物濃縮で海産物に蓄積した有害物質とか、不特定多数の人の健康に悪影響を及ぼすファクターってのは表立って取り上げられていないだけでいくらでもあると思うし、あと、俺が耳にするタバコ嫌いの人達の主張の大部分は健康云々という部分は本質的ではなく、嫌いなタバコの臭いを俺にかがせるな!っていうことを周りの人に強要するための方便に過ぎないように聞こえるんですもの。

今時、「健康に害がある事が科学的に証明されている」というのはある意味最強のロジックだから、彼らの主張が現実の世の中で幅を利かせているのはわかるけど(フランスでは特産品であるワインのラベルに飲酒の危険性に関する警告の記載を義務づけるという案すらあるらしい)、ひねくれた俺にはトイレの後のかほりまで消臭しようとする「ファブリーザー」のヒステリーっぽくも聞こえてしまう。 そりゃあ臭いが嫌だって人がいるなら喫煙者は配慮するのが一市民として当然の事ですけどね。

でも一つ言いたいのは、喫煙に関してはちょっと大げさだけど文化って側面もあるだろうという事。「健康」っていう飛び道具的なキーワードだけで抹殺しようとするのは、危ないって理由で公園からブランコを撤去するのと似て、世の中を貧相にすることにもつながりかねないと思う。一律に排除するんじゃなくて、つきあい方を工夫するってベクトルの頭の使い方もあるんじゃないでしょうか。

4 Comments:

At 8:25 午後, Anonymous 匿名 said...

もっというとさ、あそこまで『健康に害がある』とか『未成年者は勧められても吸うな』とか言うのだったら、そんなものを国は売るな、と言いたい。非常にヒステリックにタバコの害が叫ばれているけど、ここまでくると、煙草とマリファナの違いってあるの?って思う。『マリファナは煙草ほど健康への害が多くない』というマリファナ擁護派の発言を鵜呑みにはしないが、『害があるかないか』ということで言えば、両方あるわけだ。両方とも中毒性があるし、タールも吸うだろうし(煙を吸うわけだから)。
煙草がいいならマリファナも解禁しろ、とは思わない。逆に、マリファナが駄目なら、煙草も売るな、と言いたい。
僕は喫煙者だけど。

 
At 12:15 午前, Blogger TwoPine said...

社会的に強烈なプレッシャーかけられながらも、煙草は重要な財源でもあるってのがまた皮肉な話ですよね。

リンク先の「煙草税の『事実』を知ってください」って意図のはっきりしない表題がJTの置かれた立場を何よりも雄弁に語っているようで、笑えます。

 
At 11:59 午後, Anonymous 匿名 said...

でも大抵タバコを吸う人って、吸わない人よりも飲酒率も高いだろうし、車は現代社会に無くてはならないもんだしねぇ。そもそもタバコの煙がどう迷惑かって話なのに、お酒とか車の排気ガスの話が云々てのは論理のすり替えになっちゃうような気も・・・。
まあでもたしかにタバコには文化的な側面があるのは認めるし、結局は吸う人のマナーだよね。禁煙の場所で吸わないのは当然として、後ろに人が歩いているときの歩きタバコ、タバコを吸わない人と会うときはなるべく控えめにするとかさ。実際営業とかをしてて、タバコを吸った直後の人と話すのはきついです・・・。
タバコ自体を否定はしないけど、世の中その辺に散らばってるゴミのうち結構な割合を吸殻が占めてるからね。で、片づけをするのはほとんどが非喫煙者。こういう不条理をなくして、それぞれが喫煙・非喫煙を満喫できたらいいですね。

 
At 11:39 午後, Blogger TwoPine said...

コメントありがとうございます。

匿名さんのように、あの煙と臭いが迷惑で、それが問題なんだ、という人の気持ちは僕もいくらかはわかるつもりです。あんな事書いといて言うのもなんなんですが、僕も煙草は吸わないんですよね。最近止めました。その理由はここでの話題とはあんまり関係がないので脇においておくとして、喫煙者のマナーが向上し、社会に分煙のための設備が行き渡りさえすれば、タバコに関する現実的な問題ってのはほとんどクリアできるわけですよね。そりゃすぐには達成できないかもしれないけど、やればできる、それだけの話。にもかかわらず僕があえて嫌煙ブームにもの申したのは、このブームの少なくとも一部は「手放しで人を攻撃できるネタが流行る」という最近の風潮に乗ったもののように見えるからです。しかもタバコに関しては「健康への悪影響という事実」、「法律(健康増進法)」という後ろ盾があり、絶対に論争で負ける心配はない。なのでひねくれ者の僕は劣勢に立たされている喫煙者の擁護する主張をしたのでした。

 

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